A群・B群二系統の乳房ビンタ
管理人は、AVで乳房ビンタのシーンを見るのが大好きです。俺も同じだ、という男性諸氏は少なくないと思います。ところで、「乳房ビンタ」とういう言葉は、人によって全く異なる2つの意味合いで使用されているようです。
乳房ビンタと類似の表現として、「乳ビンタ」「おっぱいビンタ」というワードがありますが、こちらも同様に、二通りの意味で用いられています。
「乳房ビンタ」の好きな人は、これらの言葉でgoogle検索したり、アダルト通販のFANZAで検索をかけた経験があるはずです。その時、検索でヒットした記事を見て、自分のイメージする乳房ビンタとは違うぞ、と違和感を感じたことがあるのではないでしょうか。
仮に、片方の意味合いをA、他方をBとすると、性的嗜好関連の用語として、AとBの両者が、ほぼ同頻度に用いられているようです。Aの意味合いで「乳房ビンタ」をとらえている人にとっては、Bの意味合いで用いられる文章を読むと理解不能あり、逆もしかりだと思われます。
管理人は従来、「乳房ビンタ」を「男性が自分の手で、女性の乳房を平手打ち(スパンキング)とすること」という定義のもとに用いてきました。この用法をA群としましょう。
これとは異なる用いられ方として、「女性の乳房の谷間に男性の顔をはさみ、乳房を揺さぶって男性の顔に叩きつけること」を意味する言葉として、乳房ビンタの語が常用されています。この用法をB群としましょう。
A群・B群どっちが語源的に正しいのか?
それでは、A群とB群とでは、言語学的にどちらが複合名詞として正しい使われ方なのでしょうか。「ビンタ」という単語の由来を調べることによって、検証してみましょう。
そもそもビンタとは?
辞書で「ビンタ」を調べてみると、「他人の鬢(ビン=頬(ほお)のあたり)を平手で打つこと」との記載があります。「鬢(ビン)」について調べると、「頭の左右側面の耳ぎわの毛、びんずらともいう」と説明されています。江戸末期には、灯籠(とうろう)鬢という左右に広がった鬢が流行し、べっこうやクジラのひげで作った鬢張りを用いて鬢を張らせたようです。
ちなみに、「鬢」という文字と読みは、来賓の「賓」の上に、「髪」の文字の上の部分、「髟」が覆い被さり会意形声されたものです。「賓」とは、「主たるものにしたがう、そばにある」ことを意味する漢字の「音符」です。髪の毛のそばにある、耳ぎわの毛が鬢であり、その部分を叩くことがビンタということです。
簡潔にまとめると、辞書的には「他人の頬のあたりを平手で打つこと」、すなわち、他人の「頬のあたり」という身体部位を、「平手」という用具・手段で打つことが「ビンタ」の定義のようです。
ビンタの定義をA群、B群両乳房ビンタに当てはめ
この定義を、「乳房ビンタ」のA群とB群にあてはめてみましょう。
A群は「他人の乳房を平手で打つこと」を意味し、打つ部位が「頬のあたり」という本来のビンタの定義とは異なっています。
B群は「他人の頬のあたりを乳房で打つこと」であり、打つ用具・手段が「平手」という本来のビンタの定義と違えています。
すなわち、A群、B群とも、「ビンタ」の本来の定義からすると、同程度に逸脱した用法であるということがわかります。したがって、A群、B群のうちの片方が、本来の「ビンタ」の意味に沿った正しい使い方であり、他方が誤用だということは言えないということになります。
そうすると、A群の論者とB群の両発話者が、自らの用法の絶対的正しさを主張して相手を批判することは不適切なことであり、今後とも、両者が並存していくことが予想されます。
乳房ビンタが登場するAVの特徴
乳房ビンタという言葉の用いられ方には、「男性が自分の手で、女性の乳房を平手打ち(スパンキング)とすること」(A群)と「女性の乳房の谷間に男性の顔をはさみ、乳房を揺さぶって男性の顔に叩きつけること」(B群)の二つの系統が存在することを見てきました。
巨乳、爆乳など、おっぱいをセールスポイントとしたAV作品は数多く存在し、その中では、A群シーンやB群シーンが時々登場します。
しかしながら、1つのAV作品の中で、A群とB群の両シーンが登場することはほとんどないように思います。何故なら、A群を好む男性と、B群を好む男性とでは、客層がくっきりと分かれるからです。
(注)管理人の知る限り、1つのAV作品の中で、A群とB群の両乳房ビンタシーンが登場する作品は、KMPのミリオンレーベルから2002年にリリースされた「及川奈央の巨乳を味わえ!!」(監督は溜池ゴロー氏)だけです。
A群の乳房ビンタのシーンが描かれるAV作品は、乳房を縄で縛った緊縛SMものが多く、男優が乳房を力いっぱい乱暴に鷲づかみ・圧迫したり、乳首を強くつねったり、更には乳房・乳首を洗濯ばさみ(クリップ)でつまんだり、ムチでたたいたり、ロウソクを垂らすシーンが乳房ビンタのシーンの前後で登場します。
他方、B群の乳房ビンタのシーンが描かれるAV作品では、男優が女優の乳房をソフトに撫でたり揉みほぐす、乳首・乳輪をペロペロなめ回したり、ペニスを胸の谷間にはさんでシゴいたり(いわゆる「パイズリ」)、乳房に精液をぶっかけ乳房を精液まみれにするシーンが、お決まりのように登場します。そして、大抵の場合、この手のAVに登場する女優は優しいお姉さんや痴女タイプで、嬉しそうに笑顔で行為にはげみます。
A群を好む男性は、B群のシーンには関心を持たず、B群乳房ビンタについてこんなのを観て何が楽しいのか理解不能であると感じるようです。他方、B群乳房ビンタに憧れる男性にとってA群行為はナンセンスであり、A群乳房ビンタシーンを観ると不快感や忌避意識を抱くこともあるようです。
もちろん、A群とB群の両方とも好きだという男性もいると思いますが、どちらかのほうがより好きだ、という選好があるのではないでしょうか。
註釈:「乳房ビンタ」と同様に、二系統の違った意味合いで発語され、両発語者間で性癖が異なるエロ用語として、他に、「乳首こねくり」や「たんつぼ」(唾液ごっくん)などがあります。「乳首こねくり」という言葉で、男性が女性の乳首を刺激することを連想して欲情する人と、逆に、女性に男性の乳首を刺激されることを妄想して興奮する人がいます。両方好きな人もいますね。「たんつぼ」マニアについても、男性の唾液を女性に注ぎ込むことを嗜好する人と、女性の唾液を男性が口にすることに快楽を感じる人がいます。これらの言葉を用いる時には、スレチにならないよう注意が必要です。
A群、B群両乳房ビンタのどちらがアブノーマル?
乳房ビンタの用法には二系統あり、「乳房ビンタ」という共通の記号表現を用いていても、A群、B群の両発話者間で記号内容は異なり、両発話者は、同じ時代同じ社会で実存していても、共約不可能であることを見てきました。
A群、B群の両乳房ビンタはノーマルな性癖なのかアブノーマルなものなのか、どちらでしょうか。双方ともアブノーマルであれば、では、どちらがよりアブノーマルな行為なのでしょうか。次にこの点について、検討してみましょう。
ところで、何をもってアブノーマルと判断するのか、その準拠枠は時代や社会・文化によって大きく異なります。ある時代にはアブノーマルと見なされた行為が、別の時代にはノーマルな行為としてごくごく普通に行われていたり、ある国や地域ではアブノーマルと見なされる行為が、別の国・地域は当たり前に行われていることはしばしばです。
例えば、少し前まで、フェラチオ(オーラル・セックス)はアブノーマル視される傾向にありました。でも現在の日本社会では、ごく普通のカップルが日常的なラブラブの営みにおいて、ごく当たり前に行うノーマルな行為と見なされています。もっとも、外形的にはフェラチオと似ているものの、喉の奥までペニスを挿入し女性を苦しませるイラマチオについては、多くの人がアブノーマル行為と判断するでしょう。
要は、共同体構成員の多くが、正常から逸脱していると考えるところの行いが、当該共同体におけるアブノーマル行為であり、ノーマル/アブノーマル概念は、社会的に構築されるものであり、文化拘束性があるものなのです。では、現在の日本社会において、A群、B群どちらの乳房ビンタがよりアブノーマルと見なされるか考察していきましょう。
アブノーマルか否かの判断に当たっては、次の2点がメルクマールになると考えます。1点目は、仲のいい男性同士の日常的な雑談の中で、「女と○○したい」と発話してドン引きされないかどうか。2点目は、付き合ったばかりのパートナーとのエッチの際に「○○したい」と躊躇無く打ち明けられるか否か、です。
1点目については、会社の同僚や学生だと同級生との雑談の中で、「乳房ビンタやりてぇ~」「パイズリやりてぇ~」といった性癖を気軽に口にすることができるでしょうか。おそらく、現在の日本社会では、B群乳房ビンタやパイズリをやりたいと男性間のコミュニケーションで発話することは、「お前、変態だ~」と笑いを誘うことはあっても、ドン引きされることはないと思われます。他方、A群乳房ビンタの性癖については、男性であってもこのような行為に不快感を持つ人がいる可能性があり、気軽に発話できないかも知れませんね。
註釈:ここで、A群、B群の乳房ビンタを論じる中で、唐突に第三項として「パイズリ」について言及しました。パイズリは、多くの男性が願望する性行動で、仲のいい男性同士の日常的な雑談の中ではその願望をストレートに表明しやすい言葉ですが、いざ女性を前にすると実践を躊躇する人は少なくないでしょう。現在の日本社会では、フェラチオよりもパイズリのほうがアブノーマル視されているように感じますが、このことは文化・風俗現象論的には非常に興味深い事象です。別の機会に論じてみたいと思います。
では、付き合ったばかりの女性とエッチをする際に、躊躇無く乳房ビンタやパイズリができるでしょうか。中には、初エッチのときから、自分の性癖全開で有無を言わさず乳房ビンタ(A群、B群とも)やパイズリをおっ始める男性がいるかも知れません。しかし、長期間付き合ってきたなどお互いの性癖をよく知っているような場合を除き、多くの男性は、最初の頃のエッチの際には、A群、B群どちらの乳房ビンタも、あるいはパイズリも実践することに躊躇するのではないでしょうか。
すなわち、仲のいい男性同士の雑談の中で乳房ビンタ願望を語るという観点からは、B群乳房ビンタの方がハードルは低い、すなわち社会了解としてアブノーマル性は低く、A群乳房ビンタの方がアブノーマル性は高いと認知されていることが伺えます。
他方、付き合ったばかりの女性とのエッチの際に、乳房ビンタを求めることができるか、という観点からは、A群乳房ビンタのみならず、B群乳房ビンタについても、恥ずかしさや気まずさなどから躊躇されがちであり、このことから、現在の日本社会ではB群乳房ビンタもアブノーマル性を帯びた行為として認識されていることが見て取れます。
乳房ビンタ愛好者の中には、付き合ったばかりの最初の頃だけではなく、長年寄り添ってきた配偶者にも、乳房ビンタ好きという性癖をヒタ隠しにしている人がいるのではないでしょうか。とりわけB群愛好者の中には、奥さんは巨乳で、その巨乳の谷間に顔を埋めてパチパチ叩かれたい、でも妻には自らの性癖を正直に語れず欲求不満の人もいるでしょう。
A群、B群とも、乳房ビンタは文化的タブーとしての側面があり、日常的には気軽に遂行するのは困難なことがあり、だからこそ、かかる性癖を持つ男性は、乳房ビンタを疑似体験するべく、当該シーンのあるAVを切望するのです。
乳房ビンタ好き男性の心理
それでは、A群、B群を好む男性は、それぞれどのような心理傾向の持ち主なのか、分析してみましょう。
B群乳房ビンタ好き男性の心理
まずは、B群から見ていきましょう。B群を好む男性は、いくつかのタイプに分かれます。1つ目は、母性の象徴である乳房に身体接触することに快楽を感じ、どのような悪ふざけをしても温かく抱擁し許してくれる母性による癒しを求める「甘えん坊」タイプの男性による幼児性の発露です。しばしば赤ちゃんプレイの一環として、B群乳房ビンタのシーンが見られます。
2つ目は、女性に弄ばれたい、責められたい、という願望を持つM気質の心理傾向です。揺さぶられた乳房に自分の顔がペチペチ打たれいじめられることに快楽を感じる被虐性愛です。ただし、女王様に激しくムチを打たれたい根っからのM男ではなく、本格的な痛み刺激は回避したいプチMです。
そして3つ目には、女性に責められているようで、実際には女性の身体、あるいは女性の体の一部である乳房を自分が支配したい、おもちゃのように扱いたい、という支配願望、征服欲を潜在意識としてもつ人たちです。
B群乳房ビンタ、すなわち女性の乳房の谷間に顔をはさみ、揺さぶられた乳房がペチペチ顔にあたることに快楽を覚える男性の深層心理には、このようにいくつかの傾向がみられますが、これら複数の心理傾向を混然と併せ持つ心理機制の人も少なくないようです。
A群乳房ビンタ好き男性の心理
次に、A群を好む男性のメンタルを覗いてみましょう。A群好みの男性の心理は、至ってシンプルに思えるかも知れません。女性のシンボルである乳房に苦痛を与え、女性が歯を食いしばって痛みに耐えたり、恐怖心や重苦に耐えきれず泣き叫んだり、苦痛から必死に逃れようと悶える表情・しぐさに性的満足を得る鬼畜サディストだろう、と。
しかし、必ずしもA群乳房ビンタ好みの男性は、ただただ女性を痛めつけることに快楽を覚える猟奇的変態だという訳ではありません。とりわけ、顔面ビンタやお尻スパンキングにはさほど興味がなく、乳房にこだわりオッパイに特化してこれを痛めつけることに快楽を見いだす人は、ちょっと複雑なメンタルの持ち主なのかも知れません。
乳房を平手打ちして女性を痛めつけることは、乳房や女性に対する敬意を欠いた非人道的で女性蔑視の鬼畜蛮行以外の何ものでもない、と忌避感情を抱く人は少なくないと思います。けれども、A群乳房ビンタ好みの男性は、必ずしも乳房や女性への敬意を著しく欠いているのではなく、実は真逆だったりするのです。
生命の泉ともいうべき母乳が湧き出る神聖なる乳房や、そのような乳房を有する女性に対する畏敬の念や憧憬(あこがれ)が根底にあり、そのような乳房を自らは有していないことへの劣等意識から、女性の乳房に凄惨な仕打ちをしたくなる、というまさしく劣等コンプレックスゆえの攻撃性の発露がA群乳房ビンタなのです。
おわりに
本ウェブサイト「安全痴帯」の記念すべき初回コラム記事として、乳房ビンタについて論じてきました。冒頭にも書いたとおり、管理人は、女性の乳房を平手打ちするという意味での乳房ビンタのシーンのあるAVを鑑賞するのが大好きです。
ところで、検索サイトなどで乳房ビンタについて検索すると、乳房を平手打ちするという意味とは全く異なった文脈、すなわち男性の顔を女性の乳房で叩くことに対し、乳房ビンタの語が用いられることがあり、こちらの用法による乳房ビンタのシーンのあるAVも一定数存在することに以前から気になっていました。
今回の記事では、双方の乳房ビンタについて、どちらが本来のビンタの語に忠実な用法であるのか、どちらがアブノーマルなのか、そして、乳房ビンタ好きな男性の心理はどのようなものかを検証してきました。
結局今回の記事で、管理人が最も主張したかったキモは何かというと、自身の性癖に対する自己弁護、これに尽きます。乳房を平手打ちにするなど乳房を痛みつけるシーンを好む管理人の嗜好は、ともすると猟奇的であり、女性の人権を蹂躙する異常性癖と見なされがちです。
でもそれは全くの誤解だ、むしろ豊饒と平和のシンボルである乳房を持つ女性を礼賛し、乳房に対する崇敬感情を抱き、乳房を景仰しているがために、自らはそのような乳房を有しないことへの強い劣等コンプレックスゆえにAVで乳房いじめシーンを見るのが好きなのだ、という自己心理分析がこの記事の結語です。
ということで、本サイトでは、管理人好みの乳房平手打ちをはじめ乳房を痛めつけるAV作品などを徹底紹介していきますので、読者の皆様におかれてはご期待ください。また、AVメーカーなど関係者には、かつての溜池ゴロー監督と脚本家・有頂天氏のコンビのように、乳房平手打ち(A群乳房ビンタ)を取り入れた作品をどんどん制作していただきたく、お願いします。
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